散り行くHana



 毎年、見上げることが習慣になってしまったあの花・・・

人は、「あんな花見上げるのは貴方くらいだ。」と、いつも見上げている時に言われる。

何故だろう・・・皆、見ないのだろうか?

あんなに・・・綺麗なのに・・・。





 「また見てんのか?」

 花に見惚れている所で、あの聞き慣れた声が聞こえてきた。

十一番隊隊長、更木剣八だ。

 「毎年見るのがお決まりになってしまったもので・・・」

 「それにしても、本当に珍しいよな・・・柘榴の花なんて見る奴も・・・」

腰に手を当てて、柘榴を一緒に見上げる更木。その様子を見て微笑を浮かべた。

 「私としてはあの柘榴の花、桜や桃の花なんかより綺麗に見えるんですけどね?」

その言葉を聞いて、一瞬だけあっけに取られてしまった、ふと思い掛けない言葉を言われたから。

いや、ただ言われたからこんな顔をしてるわけじゃない・・・

 『桜や桃の花なんかより綺麗に見えるんですけどね?』

そう言われた瞬間、彼女の顔が、少し切なそうな顔をしていた気がしたからこんな変な表情になっ

てしまったんだ・・・だからなのか、自分自身の心が痛く感じるのは・・・・・

 「・・・そんな顔すんじゃねぇよ」

 「へ?」


やべ、油断してた。


 「あ・・・イヤ、なんでもねぇよ」

チッと舌打ちしてそっぽを向く彼は、なんだか少し困っていました・・・そんなに変な顔をしたかな・・・?

 「更木さん、私昇格するんですって・・・・・」

 「・・・なんだよいきなり」

 「いえ・・・話しておこうかなと・・・思って」


なんでそんな話、いきなりすんだよ・・・そんな話されても・・・・・


 そんな彼の心に追い討ちのように

 「私、零番隊隊長にまで昇格するんです・・・しかも零番隊は総隊長殿直属の暗殺部隊なんですっ

て・・・」

 「知ってる」

 「だから、私・・・これから先、更木さんに会う機会もなくなると思うし・・・もしかしたら・・・任務

についた日に」

 「やめろ」

その一言で全てが制された、何もかもが遮られ、少し驚く

更木は言葉でを制した後、の細い二の腕を強く掴み、自分の方に体を強引に寄せる

そして、腕の中でもっと強く抱きしめた

 「あっ・・・ざ、更き・・・」

 「お前が何言おうがそんなの知ったこっちゃねぇし、俺には関係ねぇ・・・けどよぉ、これだけは

言っとく・・・俺は、どんな時でも、お前が何処にいようと、お前を守る、この命に代えても・・・」

 「・・・・・・・・・・。」


あぁ・・・彼の胸の中は・・・どうしてこんなに暖かいの?感じる、彼の鼓動・・・感じる・・・彼の・・・


 「だから、そんな事言うな・・・聞いてるこっちが嫌になってくんだろ」


叫び――― 優しさ―――


は更木の胸の中で涙を流していた、その事に気付き、ゆっくりと細い体を自分の体から離す

泣きっ面を見られたくなくて、ずっと下を向くの顔、涙は地面をポタポタと滴っていた

 「おい・・・泣くなって」

 「・・・すみません」

 「謝んな」

 「すみません・・・」

 「・・・ッ」

調子が狂い頭を荒く掻く、少し溜息を付いての頭を撫でた

 「悪かったな・・・少しキツイ言い方になっちまった・・・」

 「いえ・・・私こそ」

 「・・・隊舎に戻れ、お前、四番隊だろ?」

コクッと頷き、更木の後ろを付いていく


はぁ、なんでこんな重い雰囲気になっちまったんだ・・・


溜息をついた瞬間、右腕の方に何かを感じた、

何かに・・・掴まれているというか―――

それは気のせいではなかった、後ろを見てみると右腕の裾をが掴んでいた。

 「おい・・・なんだこの手」

 「・・・もう少し見ていきませんか?柘榴の花・・・」

 「・・・・・わぁったよ、ちっとだけな」




六月の花、”柘榴”が実る時は、毎年二人の背中が木の下で柘榴を見上げているらしい





***end***














@あとがき

文が変:汗
最初なんです、最初なんで許して下さい!

これからも更木さん夢書いていきたいとは思ってますが、
今よりもっと上手く書けるように努力したいと思ってます。

さもなきゃ、切腹だぁいッ:苦笑


今回はなんで柘榴なのかというと・・・なんとなく、変わった木にしたかったんです!
なんか桜も良いけど、桜はメジャーだし、梅とか桃も、春じゃん!みたいな。
(いや、別に良いのですが)
だからなんとなく柘榴で。そんな訳でしたッすんまそ!書き逃げッ